帳票データ化の判断工程を41%削減、CENTRICのAI活用

CENTRIC株式会社は、社内のDX推進室がAIを活用し、紙の帳票をデータ化する受託業務の変換工程を自動化したと発表しました。帳票ごとの表記や項目配置の違いに対応するルールを蓄積し、担当者の判断が必要な項目を約51%減らした実績も紹介しています。

帳票データ化の判断工程を41%削減、CENTRICのAI活用

読み取りだけで終わらない帳票処理へ

帳票をシステムに登録するには、文字や数値を読み取るだけでなく、業務で使う分類や形式に整える必要があります。発行元や書式が変われば、略称や項目の順番も異なるため、従来は読み取った結果を見ながら担当者が個別に判断する工程が残っていました。CENTRICのDX推進室は、OCRによる認識やデータの構造化、AIによる分析・変換を組み合わせ、読み取り後の処理にも独自ルールを適用する仕組みを構築しています。過去の対応で得られた知見をルールとして蓄え、帳票の内容を所定の区分や形式へ自動で整えることで、判断を要する作業を減らす狙いです。

類似帳票の知見を活用し、対応時間を短縮

同じ情報を示す帳票でも、表現やレイアウトは一律ではありません。同社の仕組みでは、以前扱った帳票に関する知見を参照し、新しい様式の処理にも活用します。そのため、初めて見る帳票への対応を毎回一から組み立てる場合と比べ、作業にかかる時間を短くできるとしています。蓄積する情報は氏名などの個人情報を取り除き、匿名化して利用する方針です。特定の顧客の帳票データを、そのまま別の業務へ転用することはないと説明しています。

判断項目を約51%減らし、確認工程は維持

成果として示されたのは、変換ルールの適用によって担当者の判断が必要な項目を約51%削減したことです。この数値は、2026年8月の1か月間に対応したデータ入力業務を対象とし、帳票は約6,000件。従来は変換項目をすべて人が判断していた業務で、独自ルールを適用した結果として公表されています。一方、処理結果をシステムへ正式に反映する前には精度を確認する仕組みを設けており、AIの処理だけで完了とはしていません。個人情報を含む帳票は国内のセキュアなクラウド環境で処理し、アクセス制御や取り扱い範囲の限定も行うとのことです。

知見の蓄積を今後の効率化につなげる

CENTRICは、DX推進室に全社員の5%以上にあたる人員を配置し、「AI駆動型開発」の手法を用いて取り組みを進めています。今後は帳票の種類を問わず、より短期間かつ高い精度でデータ化できる体制を強化し、蓄積した知見を顧客の業務効率化や品質向上に役立てる方針です。今回の発表では、守秘義務を理由に対象顧客や具体的な業種は明かされていません。

編集者コメント

読み取り精度だけでなく、その後に人が担っていた判断工程へ焦点を当てた点が特徴です。自動化を進めながら結果確認を残し、知見の再利用では個人情報を除くとしている点も、運用面で注目されます。

よくある質問

帳票処理では何を自動化していますか?

OCRなどで読み取った内容を、業務に必要な形式や区分へ変換する工程を自動化しています。帳票の表記や項目配置の違いに対応するルールを蓄積し、適用します。

AIの処理だけで業務を完了しますか?

いいえ。システムへ正式に反映する前に、処理結果の精度を確認する仕組みを設けています。人による確認を残しながら、個別判断の工程を減らす方針です。