AIエージェントに何を任せる?東京大学で「Agentic Summit」開催
AIエージェントが取引や業務を担う時代に向け、何を任せ、どう安全性を確かめるのか。Fracton VenturesとNyx Foundationが東京大学で開いた「Agentic Summit」では、国内外の実務者や研究者が信頼の仕組みを議論しました。

6つのパネルで探った「任せる」と「確かめる」
2026年9月23日、東京大学 伊藤謝恩ホールでAIエージェント経済をテーマにしたカンファレンスが開催されました。主催したのはFracton Ventures株式会社と一般社団法人Nyx Foundationです。会場には約300名が集まり、国内を拠点とする参加者が約64%、海外拠点の参加者が約36%を占めました。 議論の軸となったのは、AIエージェントにどこまで仕事を委ねられるのか、そして実行された結果をどう検証するのかという問いです。エンタープライズ、エージェント認証、決済・ステーブルコイン、証券・取引所、開発者基盤などの分野から26名が登壇。6つのパネルセッションでは、企業での活用やエージェントの制御、市場取引、本人性とデータ、決済、経済への影響などが取り上げられました。
海外参加者も交え、字幕で言語の壁を越える
プログラムはオープニングからパネル、協賛企業によるセッション、クロージングまでの構成です。Ethereum Foundation、MetaMask、Flashbotsに関わる登壇者と、国内企業や金融機関の実務者が同じ場で意見を交わしました。セッションは日本語と英語が混在し、正面のスクリーンには日英のAI字幕を表示。参加者が言語の違いを越えて議論を追えるよう工夫されています。 発表資料によると、AIエージェント間の決済件数は、ほぼゼロの状態から3四半期で1億件を超えたといいます。一方で、実行にかかるコストが下がるにつれ、焦点は単に処理を動かすことから、その処理が妥当かを確かめることへ移りつつあるとの見方が示されました。金融や医療、教育、製造、行政などでAIに重要な業務を任せるには、能力だけでなく、認証・認可、安全性、監査可能性といった土台が問われます。
研究と実務をつなぎ、社会実装を目指す
本イベントでは、形式検証やセキュリティ研究を専門とするNyx Foundationと、Ethereumエコシステムの構築や事業化支援に取り組むFracton Venturesが、それぞれの知見を持ち寄りました。研究者と、企業・金融機関・取引所・開発者基盤の実務者が一堂に会したのは、AIエージェント経済を構想にとどめず、現場で活用する道筋を探るためです。 Fracton Venturesの共同創業者、亀井聡彦氏は、異なる分野の当事者がAIエージェントを信頼して使うための仕組みを共通の場で議論できたことに意義を示しました。同社は、今回生まれたつながりを事業につなげる支援や、日本発の議論を世界のEthereumエコシステムへ接続する取り組みを続ける方針です。Agentic Summitは、AIエージェントの実用化に必要な検証と、産業への橋渡しを考える機会となりました。
編集者コメント
AIエージェントの活用を、性能の話だけでなく認証や監査といった信頼の仕組みから考える構成が印象的です。国内外の参加者や幅広い業界の実務者が集まった今回の議論が、今後どのような実装につながるのか注目されます。
よくある質問
Agentic Summitはいつ、どこで開催されましたか?
2026年9月23日に、東京大学 伊藤謝恩ホールで開催されました。Fracton VenturesとNyx Foundationが共同で主催しました。
イベントではどのようなテーマが話し合われましたか?
AIエージェントの認証や制御、決済、証券市場での活用などが議論されました。安全性や監査可能性を含め、AIに何を任せ、どう結果を確かめるかが主な論点です。