内部統制評価AI「ベンサム」始動、証憑照合を支援

ジュリオ株式会社は2026年9月30日、内部統制評価を支援するAIサービス「ベンサム」の提供を始めました。現時点では業務プロセスに関する評価を支援し、証憑と評価手続の照合などを担います。2027年春には証憑の自動回収や計算の再確認にも対応する計画です。

内部統制評価AI「ベンサム」始動、証憑照合を支援

資料の照合や証憑集めをAIがサポート

ベンサムは、内部統制報告制度(J-SOX)に基づいて経営者が行う評価を支えるサービスです。提供開始時点では、業務プロセスに関する統制の整備状況と運用状況が対象となります。業務記述書、フローチャート、リスクと統制の対応表を読み合わせ、内容の食い違いを見つけたり、対応表の修正案を提示したりします。 運用状況の確認では、提出された証憑を評価手続と照らし、記載内容から確認できたことと、追加で調べる必要のある点を分けて示します。各部署への依頼文の作成や提出状況の把握、受け取った資料の一次確認も支援。不足があれば、その理由を伝えて再提出を求めます。承認手続や進行状況の管理、監査人向けの閲覧権限などを備えた管理基盤も用意され、転記・集計の負担軽減を図ります。

判断は担当者が担い、根拠を記録

AIの役割は、資料を読み、照合して気になる点を示すことや、証憑をそろえる段取りを助けることです。どの統制を重要な確認対象とするか、統制が有効かどうかを決めるのは評価担当者です。誰が何を確認し、どのような理由で結論を出したかを記録に残す設計で、経営者が評価の根拠を説明する際にも活用できます。 宝印刷株式会社も、共通の機能を「WizLabo Keeper」として同日から提供します。両サービスは機能が共通で、契約の窓口が異なります。ベンサムはクラウドサービスとして、上場企業やIPO準備企業の内部統制・内部監査部門を主な対象とし、価格は個別案内です。なお、経営者による評価を支援するものであり、監査人の監査を置き換えるサービスではありません。

今後は全社統制や再計算にも対応予定

開発計画では、2026年末を目標に全社的な内部統制を評価対象に加える方針です。さらに2027年春には、決算・財務報告プロセスの評価に対応し、税効果や減価償却などの再計算機能を搭載する予定です。これらの計算については、概念実証で再計算まで行えることを確かめたとしていますが、提供時の機能や精度を保証するものではありません。 同じく2027年春を目指し、AIエージェントが社内の基幹システムやストレージを調べ、必要な証憑を集める機能も開発します。将来的には各部署へ資料を依頼して待つ工程を減らし、担当者が内容の検討に取りかかりやすくする狙いです。ITに関する全般統制への対応も開発中ですが、提供時期は未定。ロードマップの日程や内容は変更される場合があります。

編集者コメント

資料の収集や照合作業をAIに任せつつ、評価の判断は担当者が担うという役割分担が特徴です。今後の自動回収や再計算が、担当者の確認業務をどのように支えるのか注目されます。

よくある質問

ベンサムは何を支援するサービスですか?

J-SOXに基づく経営者の内部統制評価を支援します。提供開始時点では、業務プロセスに関する整備状況・運用状況の評価や、証憑と評価手続の照合などが対象です。

証憑の自動回収はいつ始まる予定ですか?

社内の基幹システムやストレージを横断して証憑を集める機能は、2027年春の提供を目標に開発されています。ロードマップの時期は変更となる場合があります。