テルトニカの新型GPSトラッカー、トンネル内も走行を追跡
テルトニカジャパン合同会社は、デッドレコニングに対応するGPSトラッカー「FTM887」「FTM927」を日本市場で展開します。どちらも国内使用に必要な技適を取得しており、GPS信号が弱まる環境での車両追跡を支援します。

GPSが途切れても車両の動きを推定
デッドレコニングは、車両の位置情報や速度などをもとに、現在地と進行方向を推定する技術です。FTM887とFTM927では、加速度センサーやジャイロセンサーの情報をアルゴリズムで処理し、GPS信号が届かない間も車両の動きを算出します。衛星からの信号が再び取得できるまで位置推定を続けるため、トンネルや地下駐車場、高層ビルが並ぶ地域でも追跡の継続を目指せます。 従来のように、トンネルの入口と出口で得た位置を直線で結ぶ方法では、実際の走行経路と距離を正しく記録できない場合があります。信号が途切れている間の動きを推定することで、ルートや走行距離をより実走行に近い形で把握できるのが特徴です。都市部では建物による信号の反射も位置情報の乱れにつながるため、トンネル以外の環境でも有用性が見込まれます。 同社は、こうした機能が走行距離を基準に運用や料金を決める事業者に役立つと説明しています。対象として挙げられているのは、カーシェアリング、車両管理、リース、走行距離に応じて保険料を算定するサービスなどです。正確な距離情報は、料金算定だけでなく、車両の利用状況を確認するうえでも重要になります。
設置性や追加機能で選べる2モデル
FTM887は、取り付けにかかる手間や費用を抑えたい事業者向けのモデルです。U型ケーブルを使って車両のバッテリーに直接接続でき、設置を簡単に行える構成としています。また、IP69K等級の筐体を採用し、粉じんや水、厳しい環境条件への対応をうたっています。 一方のFTM927は、イモビライザーの利用や追加の入力機能など、より多くの機能を求める場合に適した機種です。日常的なテレマティクス運用で必要とされる基本機能を備えるほか、Bluetooth接続にも対応します。両機種とも4G LTE Cat M1対応で、デッドレコニング機能を搭載していますが、設置方法や求める機能に応じて選択肢が分かれています。 同社によると、2機種は同社の主力製品シリーズを土台に、デッドレコニング機能を加えた製品です。日本市場で扱うにあたり、いずれも国内での使用に必要な技適を取得済みです。
トンネルの多い道路環境を背景に展開
発表資料では、国土交通省の「道路統計年報2025」を引用し、国内の道路トンネルは10,597箇所、総延長は約5,111kmとしています。高速自動車国道に限っても、トンネルは1,188箇所、延長は約1,232kmに上るとのことです。数値はいずれも令和6年3月31日時点のものとして紹介されています。 長いトンネルや多層道路、高架道路などでは、GPS信号の喪失や位置のずれが起こり得ます。都市の高密度化や山地の多さも踏まえ、同社は安定した車両データを得る難しさを製品展開の背景に挙げています。走行経路の把握に加え、同社が示す活用上の利点には、仮想オドメーターの精度向上、レポート作成、盗難車両の回収支援、不正利用の検知強化があります。 テルトニカはリトアニアに研究開発・製造の拠点を置き、テレマティクスやGPS追跡機器を手がけています。今回の2モデルの詳細確認やサンプル申し込みは、同社のデッドレコニング案内ページで受け付けています。
編集者コメント
GPS信号が不安定になりやすい場所で、車両の位置だけでなく走行距離や経路の記録を補える点が、今回の2機種の注目ポイントです。設置のしやすさを重視するFTM887と、追加機能を求める場合に向くFTM927という違いも、導入を検討する事業者には判断材料となりそうです。
よくある質問
FTM887とFTM927は日本国内で使用できますか?
発表資料によると、両機種とも日本国内での使用に必要な技適を取得済みです。
FTM887とFTM927の主な違いは何ですか?
FTM887はバッテリーへの直接接続による設置のしやすさや、IP69K等級の筐体が特徴です。FTM927はイモビライザーや追加入力などの機能を求める利用者向けで、Bluetooth接続にも対応しています。