認知症の人にゲームの楽しさを 卓上機器の研究が示す可能性
ゲームを使ったレクリエーションは、認知症のある人の参加や気分にどのような影響をもたらすのでしょうか。豊丸産業が以前取り扱っていた卓上型ゲーム機器を用いた研究が公開され、アルツハイマー型認知症の人で、介入後に楽しさに関する気分評価が有意に高まったと報告されています。

卓上ゲームを用いて実行可能性などを検証
J-STAGEで公開された論文は、国立長寿医療研究センターの研究者らが実施したものです。軽度認知障害およびアルツハイマー型認知症の人を対象に、ゲームを取り入れた活動が実施できるか、気分や意欲にどのような変化がみられるかを調べています。使用されたのは、豊丸産業が過去に取り扱い、現在は販売を終えている「元気はつらつ!トレパチテーブル」です。 報告では、アルツハイマー型認知症の人について、ゲーム介入後に「楽しい」と感じる気分の評価が有意に上昇したとされています。また、ゲーム技術を用いる活動には、認知機能が低下した高齢者の意欲や気分を後押しし、脳トレを続ける支援となる可能性も示されています。ただし、発表内容は特定の機器を用いた研究に基づくもので、ゲームを活用すれば一律に同じ結果が得られると示したものではありません。
現行製品の効果を示す研究ではない
豊丸産業は、今回の知見について、現在展開している製品の効果を直接証明するものではないと説明しています。研究対象は販売終了済みのトレパチテーブルであり、エアロビックトレパチ!やTANOを評価した試験ではありません。一方、楽しさや参加のしやすさ、継続しやすさに目を向けることは、同社が福祉レクリエーションで掲げる考え方にも重なるとしています。 同社が「マジレク」と呼ぶのは、真剣さを持ち、誰もが一緒に楽しめるレクリエーションを目指す姿勢です。活動を単なる時間つぶしとせず、利用者の「やってみたい」という気持ちを出発点に据えています。研究結果を現行商品の性能評価と混同せず、施設での活動をどう設計するか考える材料として受け止めることが大切です。
運動や身体の動きを遊びにつなげる製品
エアロビックトレパチ!は、足でペダルをこぐ動作に合わせて玉が飛ぶ、パチンコ風の機能訓練向けレクリエーション機器です。身体を動かすことと遊びを組み合わせ、介護・福祉施設で運動を続けるきっかけをつくることを目指しています。TANOは、身体の動きを使ってゲームやレクリエーションを楽しむ非接触型のシステムで、ゲーム感覚で参加できる体験を提案しています。 豊丸産業は、こうした機器や活動を通じて、利用者が楽しさを感じて自ら参加したくなる場づくりを進める方針です。あわせて、施設職員の負担を軽くすることや、利用者同士、利用者と職員の交流につなげることも目指しています。研究で示された可能性を踏まえながら、福祉・介護現場におけるレクリエーションの価値を広げていくとしています。
編集者コメント
今回の研究で注目したいのは、ゲームを用いた活動と「楽しい」という気分評価の変化です。ただし、対象となった機器と現行製品は異なるため、結果の範囲を踏まえつつ、楽しさを参加の入口として考える視点に注目したいところです。
よくある質問
研究ではどのゲーム機器が使われましたか?
豊丸産業が以前取り扱っていた卓上型の「元気はつらつ!トレパチテーブル」です。現在は販売を終了しています。
エアロビックトレパチ!やTANOの効果を調べた研究ですか?
いいえ。研究の対象はトレパチテーブルで、現行のエアロビックトレパチ!やTANOを直接検証したものではありません。