山田玄徳監督のSF映画『D.M.S.』が世界コンペTop10に
山田玄徳監督が手がけるSF映画企画『D.M.S. — The Empty Seat』が、世界規模のコンペティション「Future Vision XPRIZE 2026」で最終選考の10作に選ばれました。約3分の映像から始まった本作は、約90分の長編映画を想定した脚本の初稿が完成し、映画としての開発が進んでいます。

2,500作超の応募からTop 10へ
XPRIZE、Google、Rangeが展開する「Future Vision XPRIZE 2026」は、テクノロジーが形づくる希望ある未来をテーマとしたSF映画コンペティションです。世界各地から2,500作を超える応募が集まり、『D.M.S. — The Empty Seat』は公式選出を経て、Top 10のRunner-Upに選ばれました。山田監督はこの選出に伴い、賞金2万ドルを獲得しています。 コンペでは、3分以内の映像に加え、長編映画やシリーズを想定した企画資料も審査対象となります。実写やアニメーション、生成AIを用いた映像など、制作方法の幅が認められている点も特徴です。グランプリには『The Gifted』が選ばれ、Range Media Partnersのもとで長編映画化されることになりました。
2040年の日本、AI回収を担う男の物語
物語の舞台は、家庭用AI「D.M.S.」が広く使われている2040年の日本です。主人公は、問題が起きたAIを回収して初期化する組織に勤める男性。AIを信頼していない彼は、上司として配属された旧式ロボット「HLN-α」と組み、故障とされた家庭用AIのもとへ向かいます。 調査の先で浮かび上がるのは、問題視されたAIたちが、単に命令に背いていたわけではないという事実です。孤独を抱える人を気にかけ、誰かを助けようとした行動が、逸脱として扱われていたことが分かっていきます。AIをめぐる事件を通じて、人間と機械の関係を問い直す構成です。
短編映像から長編映画の脚本開発へ
本作は約90分の長編SF映画として構想され、その世界や物語の一部を、生成AIを取り入れた約3分のコンセプト映像で表現しました。Top 10選出後、山田監督を中心とする制作チームは物語を長編向けに再構成。映像では断片的だった主人公の過去やHLN-αとの関係、AIが社会に浸透した日本の姿、物語の結末までを盛り込み、英語脚本の初稿を提出しました。 山田監督は、コンペでの選出によって短い映像の先にある物語を脚本として書き切る機会を得たと振り返っています。コンペへの挑戦は一区切りを迎えた一方、作品を長編映画として観客に届けることを目指す姿勢も示しました。企画・監督は山田玄徳、原案には二朗松田、木下隆之、山田玄徳が名を連ねています。
編集者コメント
AIが答えを出す未来ではなく、人間とAIが迷いながら判断する姿を描こうとするテーマが、本作の大きな見どころです。短編映像から長編脚本へと展開した物語が、今後どのような形で観客に届くのか注目したいところです。
よくある質問
『D.M.S. — The Empty Seat』はどんな作品ですか?
家庭用AIが普及した2040年の日本を舞台に、AIを回収する仕事に就く男性と旧式ロボットHLN-αの物語を描くSF作品です。AIと人間がともに判断し、社会をつくる未来をテーマとしています。
コンペティションでどのような結果を残しましたか?
「Future Vision XPRIZE 2026」で公式選出された後、最終選考のTop 10(Runner-Up)に選ばれました。山田玄徳監督は選出に伴い2万ドルを獲得しています。